いるかな先祖は、この墓の前に、
わたしはあなた方の子孫
ずっとさまよっていた、太陽のしたでーー かんかん照りの太陽、雲隠れの太陽
押さえつける太陽、赤く染まった土のうえ 黙祷、すべての人に
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沖縄からペルーへの移民した祖父母を持ち、多文化・多言語に囲まれた環境で育った岡崎藝術座主宰、作家・演出家の神里雄大。祖父母の足取りを追った取材をもとに創作した『+51 アビアシオン, サンボルハ』は、2015年2月の横浜での初演以来各地を巡演し、高い評価を得てきました。
取材においては、戦前活躍後に国外亡命した「メキシコ演劇の父」演出家・佐野碩の生涯を参照し、日系社会に支援を続けながら、北海道で農業に携わる実業家・神内良一とも邂逅。かつてその土地に移り住み、生きてその地に消えていった先人たちの足跡と、現在もなおそこに暮らす人々が想いを馳せる“ふるさと”のありようを見つめるまなざしは、翻って現在の日本を生きるわたしたちの姿をも浮かび上がらせます。
国内のみならず海外からも新たな演劇表現として大きな反響を得てきた本作と新作『イスラ! イスラ! イスラ!』は、「人々の移動と他者の集まる社会」というテーマで串刺され、兄弟的作品ともいえます。
岡崎藝術座の集大成でありながら新境地を開いたとの評価を得た『+51 アビアシオン, サンボルハ』と、そのテーマをさらに発展させた意欲作『イスラ! イスラ! イスラ!』の同時上演をお見逃しなく!!
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